Berwick 城
ベリック(Berwick-upon-Tweed)の町は、ツウィード(Tweed)川の河口に開けた港町。町の帰属をめぐってイングランドとスコットランドがその争奪戦を展開した。
簡単に歴史を見ると、
① 当初はスコットランドの町。
② 1175年にスコットランドの王ウィリアム(William the Lion)がイングランドとの戦闘で敗れ、捕虜
になり、その保釈金としてイングランドの所有となった。
③ イングランドのリチャード1世(Richard I)が十字軍の戦費調達のためにスコットランドに売却した。
④ 1215年にイングランドのジョン(John)王が取り返そうとしたが失敗。
⑤ 1296年にイングランドのエドワード1世(Edward I)が占領。
⑥ 1318年にはスコットランドのロバート1世(Robert I)が占領。この年までにスコットランドは数回に
わたり町を占領したがその度にイングランドに取り返されていた。
⑦ 1333年にイングランドのエドワード3世(Edward III)が包囲し占領してイングランドの所有となる。
⑧ イングランドの貴族のヘンリー・パーシー(Henry Percy)がイングランド王ヘンリー4世(Henry IV)
に対抗する資金調達のために、スコットランドに勝手に売却した。
⑨ 1405年、イングランドのヘンリー4世(Henry IV)が占領。
⑩ 1460年代の薔薇戦争(The Wars of the Roses)時代には、ランカスター(Lancaster)王家のヘンリー
6世(Henry VI)はスコットランドの支援を期待して売却。
⑪ 1482年に、グロスター公(Gloucester)後のリチャード3世(Richard III)がエドワード4世(Edward
IV)の命令の元、占領。エドワード4世以降、イングランドの領地となる。
国境地帯では常に戦闘がくり返されたが、基本は、スコットランドがイングランド側に出てくる、という南下政策に因る衝突。現在、城は国鉄の駅の裏に城壁の一部を残すのみで破壊されている。