Bodiam 城

　1385年に百年戦争の勇者、エドワード・ダリングリッジ（Edward Dalyngrigge)が建設の許可を得て築城。フランスからの攻撃を防御すると共に、リチャード2世を国内の敵から守ることも、その認可の中に含まれていた。当時は海岸線から城まで、城の脇を流れるローザー（Rother）川で遡航できた。

　14世紀の後半になると、城は防御面を重視するだけでなく、その建築に美しさが求められてくる。ボーディアム城は周囲を大きな湖ともいえる濠で囲まれ、完全な矩形のシンメトリー形をしている。城壁の四隅には円柱形の高い塔が建ち、それぞれの中間は方形の塔で強化されている。

　北の方形の塔は二本が並び建ち、ゲイトハウス（Gatehous)を構成し、3枚の落とし格子戸（Portcullis）と3枚の扉で固めている。各塔の先端には、胸壁（Battlement)と刎ね出し狭間（Machicolation）が施されている。ゲイトハウスの先には飛び石状に門（Barbican）が続き、木製の橋が掛っていた。南の門は水門となっている。

　矩形の城には城壁の外を取り囲む外庭が無く、城壁の中央は中庭となっており、建屋は城壁に沿って広間、教会、個室の他に兵士の宿舎が整然と並ぶ。

　兵士の館は北の門に接続しており、南面には広間と城主用の台所が位置し、東面には教会と広い個室が配置されている。城の防御面を考慮すると同時に身分的な差も配慮されていることが判る。

　1483年、リチャード3世に反抗した貴族が一時逃げ込んだほか、実戦に使用されたことはなかった。テューダー（Tudor)朝以降放置された。

　1916年以降カーゾン卿（Lord Curzon）により維持管理されてきた。

Bodiam 城近くの町：

　　南東に約20kmのウインチェルシー(Winchelsea) 情報