Lincoln 城

　リンカーンはローマ時代からの街だが、現在ローマ時代の城壁は殆ど残っていない。街はウィザム（Witham）川に沿って建設された。

　城は、1068年ウィリアム征服王が建設。1086年の土地台帳（Domesday Book）には、当時存在した166戸の家を取り壊した記録が出ている。その当時からリンカーンは大きな町だったことが判る。

　
　城はモット（Motte）が二つある特異な形態をしており、しかも両方が南側にあるのも特異である。このように城内にモットが2箇所ある城はイングランドの中ではリンカーンの城とルイス（Lewes）城の2箇所しかない。なぜ二つ並んでいるのかは判明していない。

　ルーシー塔（Lucy Tower）は、そのモットの中で大きい方の名称。チェスター（Chester）伯が建設した。貝型天守（Shell-Keep）を補強している片蓋柱（Pilaster）が見える。当初は、モットに登る前に溝があり、橋が掛っていたが、埋め立てられた。

　
　小さいモットには、天守（Keep）があり、ヴィクトリア（Victoria）女王の時代になってから円柱形の尖塔（Turret）が付け加え、飾られた。

　周囲の壁（Curtain Wall）は1115年にヘンリー1世時代の建設。城壁の建設方法は一部に杉綾積み（Herringbone）が見られることから判断すると、初期ノルマン時代の建設と推測される。なお、城壁の高さは異常に高い。

　城壁には胸壁（Parapet）があり、その内側は人が通れるだけの幅が確保されている（Rampart-Walk）。

http://www.bbc.co.uk/webcams/lincolnshire/lincastle.jpg

Lincoln Castleの現在の様子(BBCのWebカメラ映像より)。[F5]キーを押すと最新画像になる。

Lincoln

リンカーン(Lincoln) 情報

　リンカーン(Lincoln) の町に国鉄で到着すると、遥か丘の上に城と教会を仰ぎ見ることになる。近代的な街並みを過ぎ、坂を登るにつれて大聖堂が大きく見えて来る。

　城と道一つ隔てて立つ荘厳な大聖堂は、11世紀後半から建設を始めたが、数度の火災に遭い、その都度修復されて現在に至る。

　多くの教会のステンドグラスが破壊された中で、ここリンカーン大聖堂には13世紀の素晴らしいステンドグラスが残されている。また、天井のボウルト(Vault)も一見の価値がある。

　Lincoln Cathedral 公式Webサイト

ストリートビューで聖堂内を歩き回ろう。

周辺の情報：リンカーンはこの地方の経済・行政の中心地であるが、周囲は農耕地域で観光名所も特になく落ち着いた町。

ヨーロッパ最大のアンティークフェアが年6回開催される。アンティーク好きは必見。

Lincolnshire International Antiques and Home Show

ホテル：D’Isney Place

住所：Eastgate, Lincoln LN2 4AA

　ミシェランのホテルガイドで1つ☆。新市街には大型のホテルもあるが、ここは大聖堂に近く、小さな華奢なホテルで、食堂はなく朝食は部屋に運ばれる。

　上記ホテル住所のストリートビュー画像。残念ながら、このホテルは廃業したようだ。

　HOTELS IN LINCOLN (Hotels.uk.com)