Pevensey 城

　3世紀のローマ時代の駐屯地まで歴史が遡る。ただしローマ時代に築かれた基地は方形の壁で囲まれていたが、現在の城は楕円形の城壁で囲まれている。4世紀初頭のローマ貨幣が発掘されたことから、サクソン（Saxon)族の侵略を防衛する目的で建設された、ローマ時代後期の建設と推測される。

　10か所にU字形の塔が建ち、そのうち2か所が門を構成していた。今では海岸線は2キロ以上離れているが、当時は海に突き出た半島の上に建設されていた。

　ローマがイングランドから撤退した後、491年にサクソン人による大虐殺が行われた記録が残る。その後ノルマン征服王 (William The Conqueror) が上陸するまで歴史から消えていた。

　ノルマン征服王はこの地に早くから城を建設したとされる。なお、ウィリアム2世（William Rufus)の時代に城をめぐる攻防戦が行われた記録が残る。

　城は1246年にヘンリー3世が、王妃の叔父のリッチモンド伯（Richmond)のピーター・デ・サヴォイ（Peter de Savoy)に与えた。

　城内を中庭と外庭に分離し、ゲイトハウス（Gatehouse)と3本の円形の塔が側面に付く13世紀の典型的な城となった。ゲイトハウスはロンドン塔を模倣して居住部分を兼ね備え、円形の塔はエドワード1世の集中形式 (Concentric) の城建設の初期段階の模倣が見られる。

　現在は完全な廃墟となっており、往時の建設様式を確認することは困難。海岸線が後退したことからテュダー (Tudor) 王朝時代には海岸線防備には役に立たなくなっていた。

　なお、第2次大戦中には機関銃が中庭に設置され、既に廃墟となっていた天守に屋根を葺いて兵士が泊まり込んだ。

Pevensey 城近くの町：

　　東に約25kmのヘイスティングス (Hastings) 情報