Rochester 城
メドウェイ(Medway)川の河口で、ローマ時代のウァトリング(Watling)街道と交叉するところにある。
ウィリアム征服王は、当初、現在の城の場所から少し南に城を建設したが、初代の城の所有者だったバイユーのオド(Ode de Bayeux)がウィリアム2世に反抗し、戦いに敗れてフランスに亡命した後、ガンダルフ(Gundulf of Rochester)司教が最初から石で城を造った。このガンダルフは聖職者であったが、城造りで有名であった。
1127年にはヘンリー1世がカンタベリー(Canterbury)大司教の支援を得て改築。
1215年に、ジョン王に対抗した貴族連合が城を占拠。ジョン王は城を取り戻すために大軍で包囲し弓矢で攻撃したが、落城させることができなかった。
そこで、塹壕を掘り、城壁を崩す作戦に変更。ジョン王は40匹の丸々と太った豚を届けさせ、その脂を燃やして、南の城壁の角と城内の天守の一部を崩壊させた。城の守備隊は城壁が崩壊したため、天守に退却して籠城を続けた。しかし天守も一部崩壊させられたため、更に、中央壁(Cross-wall)の奥にまで引きこもり対抗したが、終に降伏。なお、ジョン王が豚を届けさせた指示書の記録が残っている。
南の城壁の隅の方形の塔は、ジョン王の次の王のヘンリー3世により大型円柱塔(Drum Tower)に修復された。方形よりも丸のほうが塹壕に因る崩壊に強いと考えられた。
天守(Keep)は35m(115feet)あり、ノルマン様式の城として一番高い。 6階建だが、広間は2階をぶち抜きの高さ故、実質的には7階建。天守へは3階から入ることになる。
中央壁は4個のアーチを持ち、壁の中央には井戸があり、シャフトで最上階まで水が汲み上げられて、どの階でも水が使えた。
周囲の壁は厚く頑丈で、壁の中に部屋が造られた。ノルマン様式の城としては異常に窓が大きいが、おそらく、この高さまでは城の攻撃車が届かないと考えたと思われる。
14世紀に周囲の城壁の塔2箇所をエドワード3世が修復している。
なお、18世紀に城を破壊する案が出たが、不経済なので中止された。
ロンドン郊外にあり、電車でも45分ほどで到着する。気軽に日帰りできる町なので訪問をお勧めする。
関連URL
Rochester Castle, Kent, England (Castles Abbeys Medieval Buildings)
http://home2.btconnect.com/Crusader-Product/Rochester-Castle.html
ROCHESTER CASTLE (English Heritage)
http://www.english-heritage.org.uk/daysout/properties/rochester-castle/
Rochester Castle (Official Medway Tourism Website)
http://www.visitmedway.org/attractions/rochester-castle-p44583